マダガスカル

マダガスカルはサブサハラ・アフリカに位置する島国。
面積は58.7 万km²、人口は2697万人で、政体は混合政治体制。
一人あたり名目GDPは523ドルの低所得国である。

国家概要

国名 マダガスカル(英: Madagascar)
国家コード(ISO 3166-1) MDG / MG

人口統計 (2019)

人口 2697万人
人口増加率 2.7%
都市化率 37.9%

経済指標 (2019)

名目GDP 141億ドル
購買力平価GDP 464億ドル
経済成長率 -
一人あたり名目GDP -
人口あたり経済成長率 2.1%

その他指標

軍事費(2019) 1億ドル
ユニコーン数(2021) 0

マダガスカルの特徴

地理: アフリカであり、アジアでもある

マダガスカルと言えば動物王国のイメージがあるが、アフリカの他の国と明確に違うのは、東南アジアから入植した人々の子孫が人口の多数派であるという点だ。

そのため、マダガスカル人はコメを主食とし、マレー語に近いマダガスカル語を話す。この大きな島に一番近い島はインドネシアのボルネオ島である。

また、東南アジアからの人類がカヌーで渡来してきた後にアフリカからも複数の民族集団が渡来した。山がちで巨大な島であることも原因で、現在でもマダガスカル人は複数のエスニックグループに分けられる。ただ、全体に共通の文化も数多くあり、民族間対立は激しくない。

地理: ユニークな孤島

マダガスカルは地理的に途絶した位置にあるので、環境的にも文化的にもユニークである。数多くの希少生物が見られ、バオバブなど固有の植物が多い。

また、入試の気候問題でも良く取り上げられるように、熱帯雨林からサバンナ、山岳気候まで、地域によって気候が実に多様である。これは島が広く、内陸部と沿岸部ではっきり異なる様相を示していることが影響している。

東海岸沿いを700kmも直線で走るパンガラン運河はフランス植民地当局が湖をつないで作ったユニークな人工構造物だ。インド洋沿岸は海岸が直線的で荒れることが多いため、現在でも利用されている。

環境: 環境破壊の対価

人口負荷による森林の伐採、焼き畑と天然資源採掘による環境破壊は常時進行していたが、2009年のクーデター以降前大統領の環境保護政策を否定するように急加速している。今後数十年で沢山の生物が絶滅し、国立公園内も含めて森林が消滅することが予想されている。伐採によってマダガスカルでは近年土壌流出が深刻であり、土地の肥沃さや沿岸の港に深刻な影響を与えている。

問題は、急激な環境破壊が行われている一方で一人あたりの経済成長率はほぼ0に等しく、環境破壊を投資や技術向上によって緩和することが難しく、豊かになる前にダイレクトに人々の生活に影響しかねないことだ。

このまま効果的な施策がなされなければ、マダガスカルの豊かな環境は失われ、住民の生活への悪影響が社会不安に繋がりかねない。打開策は限られており、この問題に対して著者は悲観的である。